1945年、消えた便り ― 大連からの最後の手紙
架空戦後ストーリー
プロローグ(1945年・夏)
1945年6月1日。満州・大連の港は混乱の気配に包まれていた。
その日、一通の手紙が日本本土へ向けて投函された。
「必ず帰る。だが、次の便りはいつになるか分からない」
それが、家族が受け取った最後の言葉だった。
第一章:沈黙の夏
手紙は6月中旬に届いたが、その後音信は途絶えた。
息子は父の帰りを信じ続け、母は毎日ポストを確認した。
そして1945年8月15日、日本は敗戦を迎える。
しかし家族にとって、それは終わりではなかった。
第二章:残された家族(1946〜1949)
復員兵が戻る中、父の名前はどこにも見つからなかった。
母は役所を巡り続けたが、記録は空白のままだった。
それでも母は言い続けた。
「まだ、どこかで生きているかもしれない」
第三章:大連からの影(1950年代)
引き揚げ事業の中で、似た経歴の兵士の情報が見つかる。
しかし記録は曖昧で、父の確証には至らなかった。
息子は成長し、父の記憶は遠ざかっていく。
第四章:静かな現実(1960年代)
役所からの通知が届く。
そこには「行方不明として処理」と記されていた。
母はそれを何度も読み返し、静かにしまった。
エピローグ
1990年代、息子は古い箱から一通の手紙を見つける。
1945年6月1日、大連からの最後の便り。
父は帰らなかった。しかし、消えたわけでもなかった。







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